米タワーレコード破綻

一昨日から体調が悪くて何にもできない状態。
今日はようやく脳の回転が70%くらいの出力で、なんとか寝ていなくても大丈夫な感じ。
仕事はほとんど手につかないので朝刊を読んでいたらこんな記事が

asahi.com上ではほんのさわり部分しか載っていないけど、紙面ではもっと突っ込んだ記事になっていた。コラム的なものは差別化のためか全文がウェブに上がっていないことも多いようだ。紙面から重要と思われる部分をピックアップしてみよう。

 アマゾンジャパンは、01年6月に音楽CDのネット販売を始めて以来、「右肩上がりで販売が伸び続けている」(広報担当者)。店舗販売に比べ売り場面積に制限されることがないため、豊富な種類を提供でき、24時間好きな時に買い物できる点などが歓迎されているという。
 ネット通販に続き、さらに音楽の流通を大きく変えそうなのが、ネット配信だ。好きな曲をインターネットで検索し、曲ごとに料金を払ってダウンロードする。(中略)
 国内の音楽CD販売店でつくる日本レコード商業組合の矢島靖夫理事長は「今すぐに米国のような状況に陥るわけではないが、ネット配信などの問題はボディーブローのようにじりじりと効いてくる」と、今回の破綻が「対岸の火事」にとどまらないのではないかと警戒している。

朝日新聞04年2月11日朝刊14版 経済面より)

以前、『Invitation』の記事を書いたときに編集者から教えてもらったんだけど、アメリカでは(最近、iTunesより安い値段でネット配信を始めるとアナウンスした)ウォールマートとか大手のスーパーが、アホみたいに安い値段で売れ線のCDを店頭販売しているおかげで、既存のCD専門店が大打撃をくらってるという現象があったらしい。日本でいえば、コンビニで雑誌や文庫本、マンガなどが売られることに対する書店の反発と似た構図だと思うけど、日本だと再販制があるから、どこで買っても値段の差はなく、壊滅的な打撃とまではいかなかったのかもしれない。でも、コンビニでは客寄せの意味もあって(深夜に常時ひとがいたほうが安全)ある程度の立ち読みは許容するとか、他の商品も買ってくれるからという戦略的な意味で雑誌を置く。24時間やってるわけだし、これで再販制がなくなって、何割か安い値段で雑誌が売られるようなことになったら、ほんとに町の書店なんて一軒もなくなってしまうかもしれない。

実際、町の書店がどんどんなくなって困ってる(アマゾンがそれを代替しているかというと、してないというのが正直なところ)身としては、TSUTAYA(しか徒歩圏にある程度の規模の書店がない)に支配されているという感じも強く、ただ単に利便や経済性だけ追求すればいいというわけじゃないという思いを一層強くする。

音楽ソフトに関しては、買う量や内容からしても一般の感覚ではないという部分もあって、ここではコメントを差し控えるけれど…。