歌舞伎町の夜

地上波での放送が終了して(でも、まだ話は1/3残っている)『サムライ・チャンプルー』の中入りというものがあった。
リキッドが無くなってからというもの歌舞伎町に行くなんてことはほとんどなくなってしまったので、かなり久しぶり。あのHUMAXのビルも、カラオケ店とかの複合施設だかになったしまったようで、ライトアップされて白銀に輝くやけに清潔感のある外壁が変な感じ。妙な女装の男やいつ死んでもおかしくなさそうな酔っぱらいが路上にたくさんいるみたいな光景は相変わらずだが。

リニューアル・オープンしたヨドバシにちょっと寄って、信号待ちをしていたら渡辺信一郎監督とバッタリ。で、一緒に会場まで行く。なんか、主役と一緒にちょっと遅れて会場入りなんて、まるでお付きの人みたいじゃんと思いながら。

ナベシン・チームは割と古くからの馴染みの顔もあって、ともするとただ「お〜、久々だねぇ」みたいな話に終始するんだけども、今回は長い時間のつきあいですっかりスタッフのみなさんともうちとけている佐藤大が後半近くにいたこともあり、たくさん新しい顔を知ることができた。

山田正樹さんは、「ここんとこ困ったときにすごい助けてもらった作監さん」みたいな紹介を監督にされたんだけど、よく考えたら『APPLESEED』のキャラデザインもやってるヒトなので、「あ〜そうでしたか、狭いッスね」みたいな話に。艶めかしい絵柄から、もっとこう、エロパワーみたいなものを感じさせるひとを勝手に想像してたんだけど、すごい爽やかな好青年でびっくり。あんまりアニメ業界にはいなそうなひとというか。
アニメっぽくないといえば、チーフライター小原信治さんは白シャツがまぶしいナイスガイって感じだし、コンテ・演出の山本沙代さんや、脚本の高木聖子さんも、なんかフツーに路上でナンパされそうな雰囲気を醸している。ま、ふたりとも一回り以上歳下だっていうし、イマドキな感じは当たり前なのかもしれないけど。ほんと、アニメやゲームの制作現場って、世間のフツーって何?って思うほど、スタイルも空気感も違うんですよ。
たまたま違う畑の人間やプロパー外からどんどん現場のスタッフを起用しようとした結果が、そういう、ちょっと異質な人材が集まることに繋がったのだろう。ナベシン班だからということで、どこの現場に行ってもそうだってことじゃないんだろうけど、こういう変なメンツが集まるんだったら、おめーらに負けてらんねーぜってやる気も出ようかというものでしょう。

や、高木さんには第一声「エレ・キング読んでましたYO!」とか言われるし、誰とは言わないけども『放射能』(クラフトワークのね)Tシャツ着てたり、META(オリヴァー・ホーの)のTシャツ着てたり、なんなんだっつう。あ〜、きっと10年ぐらいしたら何かが変わってるぞ、とかそういう予感めいたものを感じた夜でした。

ま、そんな時代にゃ、ワタクシ、もうヨボヨボのおじぃちゃんなんだけどもね。