恒常的に書く苦痛

先週号のAERA、「中高生が買う合法違法ドラッグ」とか「アップルiPodが日本を制覇する日」とか「イルハンに9億円出した楽天・三木谷の成算」とかおもしろげな目次が並んでたので買ってみた。表紙が綿矢りさだったんだけど、「表紙の人」って巻頭のコラムで『蹴りたい背中』の執筆に一年かかったと書いてあった。

 書くのは楽しいか、苦しいか──。ありきたりの質問を投げかけると、
「楽しいのとも違うし、苦しいわけでもないんですけど……」
 口をつぐんだ。共感よりも誤解を招きやすい言葉の怖さを知っているのだろう。

キャッチは「書きたいって思ってもスイッチが入るわけじゃないんです」。
簡単にちょろっと日常の断片を文字にして芥川賞みたいな批判をかわすように、こんなちっちゃな女の子だけど、苦労して苦労して言葉を紡いでいるんだよというイメージを想起させたいのか、記事の真意はわからないけど、これだけたくさんの無名の市井の人たちが大量の文字情報を発信するようになった世の中で、こういうスタンスはちょっとおもしろくもある。

Panasonicのサイトの運営をやっていて、その中でBlog的にニュースを拾って更新してる。IT系のニュースを扱うBlogなんて腐るほどあるし、その存在価値がどれほどのものかは自分でもわからない。でも、この企画を松下の担当者に話して「必然性があれば他社の製品やサービスを取り上げてもいい」と言われたときはびっくりして、ではぜひやりましょうと言ってしまった。普通どう考えたってありえないですからね。本来スタッフみんなでやろうと話していたのに結局自分だけが書いてるような状態になっていて、サイト自体の更新もやらなくちゃいけないし、他にもたくさん仕事はあるしと、せっぱ詰まってくると毎日ネタを探して何か書くのがつらくなることもある。言ってみれば報酬をもらってBlogを運営するなんて贅沢をさせてもらってるのに、つらいとは何事か!と自分にハッパをかけることも。

友達と「何がやりたいのか」という話をしていてあるグラフィック・デザイナーの話題になった。彼は、仕事じゃなくても常に何かデザインしてるとか。無償でも誰も誉めてくれなくてもやる生産的なことって、オトナになるに従ってどんどん減ってしまう。好きなことを仕事にしてしまったりすると余計そう。あぁ、リトル東京が始まった頃なんて、夢があったよなぁ。

アクセス数が上がるとモチベーションも上がるかもしれないので、
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