10年目に授かった娘

開始時間を間違えて、冒頭の久夛良木さんの挨拶は聞けなかったんだけれど、WBSを見ていたら年末に登場するPSPのことをPlaystationファミリーに新たに加わった「目に入れても痛くない娘」だと紹介していたそうだ。
仕事を手伝ってるSCEの方に誘われたので、久々にこういうPS関係のイヴェントに出てみてあまりの規模の大きさにビックリ。1000人はいようかという取材陣や開発関係者、それに販売店のひとたちでかなり広大な会場はほぼ満席なんである。21世紀のWalkmanだとブチあげたPSPは、ゲーム不況と言われる中でも無視できない存在なんだろうね。

さすがにそれだけ広い聴衆を対象にしたプレゼンだと、冗長というかあっと驚くような内容が次々披露されるというわけにもいかず、最初の発表から時間が経っているからか既視感の多いものになっているようにも感じた。どうでもいい内容でも話術で保たせてしまうジョブスはすげーなとか思いつつ、別にプレスとして参加したわけでもないので気楽に聞いていると『TALKMAN』という通訳アプリが紹介されて、あっと小声を上げてしまった。
オプションのマイクを使って音声認識するPSPのゲーム以外の使い方を提案したソフト。まだまだ完成にはほど遠いという感じではあったが、発想としては面白い。GBが一番活躍するシチュエーションのひとつって、大人にとっては海外旅行中だったりするけど、ちゃんと携帯ゲームで遊んできた若い世代が発想したでしょうってよくわかる位置づけのソフトだと思うんだよ。単機能の機器だったら旅会話みたいなものを発話してくれる翻訳機って以前からあるけど、わざわざ何万も出して買うほどのものでもないよね。でも、ゲームはどうせ持って行くしという荷物の取捨選択の中で、何千円かのこれを買えば、ちょっと助かるかもということなら、買ってみようかと思うかも。
音声認識の精度や会話の流れもそこそこスムースで、使えそうな雰囲気を醸していた。実際Via Voice使った英語学習ソフトなんかでも、思ったほどすごいことはできないから、今日のデモに近いレヴェルで会話が成立するならかなり画期的だと思う(自分の声はいいとして、相手の声はどうやって拾うのかっていう疑問は残ったけど)。で、妄想たくましくするなら、これって世界規模での無線LAN対戦(ネット経由)を豊かなコミュニケーションの場にするのに応用できないかな。っていうか、それ考えてますよね、ソニーさん。考えててください。

旅会話同様、ゲームで対戦するときの会話内容だったら、ある程度限定されているように思うし、モノラルの音声データだったらIEEE 802.11bの伝送速度でも十分リアルタイムで会話できるんじゃないかな。もちろん、対戦しながら、というのは無理だろうけど、ネットゲーのツボは顔の見えないユーザ同士のコミュニケーションだと考えたら、多言語対応音声チャットは燃えると思うけどなぁ。PCだったら、キーボードベースの文字チャットでいいんだけど、ゲームコーンソール上で文字ベースのやりとりは却ってストレスになるだろうし。

それと、開発のきっかけとしてSCEの山本さんが話の掴みに語ったのが、イタリアで旅行中に電車で隣に座った美女に声掛けたくて、でもダメだったという体験だったんだけど、実はそれ聞いていて、イギリスで流行ってるというトゥーングのことを思い出した。今、向こうのケータイにはブルートゥースが標準で載っていて、それ使って電車の中とかでナンパしたり、見知らぬ人とコミュニケーションするっていう、まぁ「どこでも出会い系」みたいなものなんだけどさ。PSP無線LANは、ネットに接続するだけじゃなくて、アドホックで電波の届く距離にある端末同士が16台までつながるっていう仕様だから、向かいの席でPSPやってるひとがいたら、
「どこまで乗るんですか?」
桜新町までです」
「僕は二子玉です」
みんゴル、ワンホールどうですか?」
「ごめん、今GT4しか持ってない」
みたいなことが可能かな、なんて。

OSに標準でチャット機能がついてると最高だけど、「どこいつ」にはそういう機能絶対載せて欲しいなぁ。


思ったより本体は小さいイメージ。『スパイダーマン2』デモしてるものも。


ブレブレだけども画面がかなりクリアで高精細なのはわかるかな。
RPGなんかだと極小のテキストがちゃんと読めるクオリティーで表示されていた。


黒はシャープでクールって感じだけど指紋がねぇ…。
で、白がいいかなぁと思った。もう買う気満々。値段は、どんなもんかねぇ。