レイ・ハラカミの“声”

最近、itscomのセットトップボックスをかなり不便な旧式のアナログのヤツから契約変更してデジタルなものにしたのね。とっとと変えれば良かったと今になると思うけども、BBCが見られなくなってしまうというのがネックで変え渋っていたんだわさ。デジタルに変えると地上波デジタルが見られたりCS局も1.5倍くらいに増えるのになぜかBBCは対応してない。「なんで?」って直接BBCにメールで問い合わせたりもしたけど、善処します的な返事でいつになったら入るかわからんし、と。

それで今まで滲んだような画質だった(特に赤がひどかった)CS各局が格段にクリアになったとか、AACで音が出る番組だとサラウンドで聞けるとか(昨日のサッカー、キリンカップ日本対UAE戦は、地上デジタルAACサラウンドで観戦。結果はな〜んか不甲斐ないものだったが音は十分楽しめた)…いろいろ良い点はある。まだ使いこなせてないけど、データ放送(天気予報とか)も便利そう。でも、一番感動したのは、番組表から録画予約してIrシステム経由して一発でタイトルから予約時間からHDレコーダーに情報を転送できるって機能。いままでだと、レコーダー側で外部入力録画で設定、それからケーブルTV側の予約設定(しかもこれがものすごいローテクで不便なのだ)して、両方のタイマーがきちんと動作してることを確認してっていう煩雑さだったから、よっぽどのことがない限りCSの番組なんて録画しなかったし、たまたまつけたらやってたという以外には、ほとんど見る機会もなかったんだよね。

超便利になったもんで、早速M-ONの『bpm』ってクラブ系の番組を予約してみた。たまたま番組表チェックしてたらrei harakami特集って書いてあったからね。今までこの番組の印象ってもっとヒップホップとかが多かった気がするんだけど、1時間ほとんどハラカミ氏のクリップ、ライヴ映像、インタヴューで構成されていて、かなり充実したものだった。ニュー・アルバムの全曲解説なんて、雑誌でも読めないような内容だったし、いちファンとして超嬉しい。いや、まだ新作聴いてないんだけども、シングル・カットされたのが細野さんの「終わりの季節」のカヴァーで、自分で歌も唄ってる(結構はまってます)んだが、それが実は矢野顕子のアルバムを作ってるときに矢野さんにアイディアのひとつとして依頼された細野曲のアレンジ用に録ったデモだとか、その曲のかなりシンプルに作られたPVは、ズームとパンとティルトだけを使って自分で監督したもので、どうしてPVまで自分でやろうと思ったかとか、テレビ番組でありがちな表面的な部分だけなぞって終わりという取材になっていなくてよかった。たとえば、All Aboutの四方さんのページなんかは、かなり突っ込んだ質問をハラカミ氏がかなり丁寧にひとつひとつ答えてるんだけども、恐らくメールのやりとりで行われたであろうこの取材からは、やっぱり彼の声とか口調とか、その辺の生っぽい部分は全部そぎ落とされてしまっている。映像の持つ情報量、それに力っていうのを久しぶりに認識した番組だった。

実際、映画をDVDで観るときもかなりの部分メイキングが楽しみだったりして、僕は本編というか作品そのものよりも、それを作った人間(有名無名にかかわらず)とそのひとたちのやってることに興味があるのだなという気がする。

Lust
rei harakami / Lust