僕たちは繁殖している?

今ね、事務所の引越の準備でかなり消耗戦に突入気味で、広いオフィスに移れるぜぇああしてこうしてっていう妄想の楽しみももちろんあるんだけども、それより通常業務はしながら一回こっきりのつきあいしかしないであろう内装屋だとかその他モロモロの煩雑な手続き&作業をお願いする業者とやりとりしてどうにか想定の期日に引っ越せるように段取りを進めていくっていうのが思ったよりかなり苦痛。現状スタッフも増えて、ふれることはお願いして分業しているからまだしも、いつもの悪い癖で全部一人でなんとかしようと思ってしまったら確実に発狂するな。

それはそうと、たぶん絶対、広くなったらもう少しひとを増やさないことにはどうしょうもないという状況(お願いされる仕事を断ることが増えてきた)になっていて、落ち着いたらスタッフ募集をちゃんとやらないとと思っている(でも面接がこれまた時間も手間も取られるんだよね…会社員のころは人事部なんて何も産み出さない部署がとかブーたれていたけど、正直ひとにお願いできるのであれば頼みたいッス。いやむしろ、経理とか人事とかそーゆー地道で堅実でしかし会社のコアになるひとたちはチョー重要)。

で、たまたま読んだライター兼編プロ社長という方のblogで、組織の内紛みたいなことが暴露されていて興味深く読んだ。このエントリーが各所で話題になったっぽいのは、本文ではぼかして書かれているけど、『電波男』っていう本をヒットさせた本田透というヲタ系ライター氏のことだとわかるからだと思う。穿った見方をすると、かつて世話したヤツとケンカ別れてして後に売れっ子になってしまったから嫉妬に駆られて昔話を暴露したという感じなのだけど、基本的にあまりひとづきあいが得意でなく精神的に未熟なオタク系のひとたちとどうやって接していくかという永遠の課題に考えを巡らせるなら、有益な経験談だとも言えるんじゃないか。

自分の過去を振り返ってみても、なぁなぁでやっていたことを一般的にマトモとされるようなレヴェルにまで矯正しようとしたとたんに運営が困難になるとか、ごっこ状態でやっていたことが続かなくなって初めて「どうしよう?」とない頭しぼって見よう見まねでルールだの利益を生む構造だのを導入しようとして、結局うまくいかないみたいな事例はたくさん経験してきた。特にひとが増えてくると意見調整とか折衝とか、“仲間”みたいな青臭くて何の確証もない絆だけで結ばれている人間をコントロールするっていう余計な仕事が増えてきて、それが余計なことなんかじゃなくて実は一番重要ってちゃんと気付いて仕事のやり方をシフトしていくようにしないと破滅への道を歩むことになるわけだ。

先のエントリーにしても、コメントで誰かが「サークルクラッシャー」と評しているように、紛争の内容としては部活動のいざこざくらいしょーもないものに感じるけども、実際国家間の戦争とかでも根っこをつきつめるとそーゆーことだったりするから恐ろしい。

今まで積極的には採用してこなかったアニメとかゲームとか収益が上がっててなおかつ人材不足という方面の業務で新しいスタッフを増やさないとだめだろうなぁとは思っているんだけども、ごっつい不安もあるよね。やっぱり「コイツとは一緒になんかやりてぇ!」って思うようなひとたちは、ひとりで勝手にやっていけちゃうんだもの。ただ、完全にテキストオンリーとかなら別だけど、比較的少人数でできるウェブですらどんどん共同作業が必要なジョブになってきてるし、チームのなかでどんなことができるかっていうことのオモシロサっていうのもすごくあるんだけどね。一匹狼なひとには向かないが。まぁ才能も素質もない癖に一匹狼風吹かして息巻いてた俺みたいな野郎に何言われても説得力ないか(笑)。