若年寄の賛歌

代官山のUNITで、トーマス・シューマッハがプレイするというのでお呼ばれして遊びに行く。UNITは家からそう遠くないし、ギュウギュウだった試しもないし、客も比較的オトナなので嬉しい。ハコにつくまで知らなかったんだが、金曜土曜と続けてonedotzeroのパーティーだったようで、関係者らしき外国人がやたらに目立つ。
客の入りはそこそこ、という感じで、ケン・イシイとトーマス・シューマッハというラインナップでこれだけ?とちょっと目を疑う。それでも1時ちょい前からスタートしたイシイ君がアッパーな感じで攻めていってフロアの温度を上げると、中盤以降は歓声や拳も上がるような雰囲気になっていた。とはいってもそれは、YellowともageHaともWOMBともちがう酒ノリの上品なもの。泥酔モードでも毒モードでもなく、淡々と。トーマスに変わるとさらにその傾向は強まって、BPM126くらいの相当緩いアシッドやミニマル的ハウスが、音数少なくまったり展開していく。
約1年前にModuleで聴いたときよりさらに渋めになってて、もはや若年寄かよって言いたくなるプレイは、それでもこじゃれた格好のお客さんをゆらゆらと揺らしていた。
そう言えば、バーでひさびさに(一年以上ぶり?)イシイ君と話したけども、途中で「ところで大クンは元気?」と訊かれる。なんかクラブ系の知り合いと話すといっつもそんなことを挨拶がわりに言われる気がするなぁ…どうなん、それ?

翌日、渋谷でTOBYと食事するからと呼び出されて、トーマスの熱心なリクエストで焼き肉をつつく。「ビーフは最高だよ」とかいいながらとっても幸せそうな顔でカルビやタンにむさぼりつくトーマスがなんか笑えた。
前の晩もかけていたケイトリン嬢のヴォーカルをフィーチャーしたELKの新譜は、なんとGet Physicalから出すそうだ。ワーナーとの契約が切れたので、イギリスにいる知り合いに頼んで作者が誰だかわからないようなパッケージでデモを作ってわざわざイギリスからいろんなレーベルに送付したらしい。当然完全な新人扱いだけど、誰でも知ってるような名門がこぞって手を挙げてくれたんだって喜んでいた。Get Physicalって、日本では驚くほど注目されてないけど、ドイツではすごい人気でアナログが平均6000枚とか売れるらしい。ちょっと信じられない数字だわ。たぶん今、ほとんどのレーベルで1000枚売るってかなり至難の業になってる状況なんだから。まぁ、ドイツは少しアナログの売り上げが回復基調だって言ってたけども、逆にハードなテクノは壊滅的な状況でぜんっっっぜん売れないんだとか。他にもなんだかいろいろTOBYがゴシップ聞きだしてたけど、やばすぎるのでここでは書けませぬ。