Podcastingの番組制作がけっこう楽しい

どういう偶然の巡り合わせか、昔勤めていた出版社で名物編集者と言われ在職時からちょっとした憧れの存在だったE氏と出会い、彼が中心となって新しく立ち上げる文庫レーベルの企画のお手伝いをすることになった。
少年向けエンタテインメント小説、それを恥ずかしさもポケットにしまって営業上の理由まで考えていまさらだろうがライトノベルと言ってしまうという、まぁ自分にとっては正直異世界のジャンル。でも、うちの佐藤大はじめ、集まったスタッフ、ブレーンとも、大メジャーの小学館が一番後発でやるんだからただの成功者たちのものまねではまったく意味ないでしょうと、各人のベクトルの違いがあったりはしながらもその点では合意。とりあえず、どういうものを作ったらいいかだとか、現状分析だとか、いろんなひとを呼んで話しあう過程も公開してしまうというのがおもしろいんじゃないかと、この「ガガガトーク」という企画がはじまった。

やはり出版、紙文化のひとが中心だから、来春の発刊まではウェブを中心にプロパガンダしていくという方針も、ちゃんと機能するのかちょっと不安だったんだけど、あえて僕は文字ベースでの記事作りには参加しないで、Podcastingやりましょうよ!という声をあげて、試行錯誤しながらもラジオ番組風に鼎談の音声を編集して、毎週12分ほどのプログラムに仕上げるようになった。
最初、自分でGaragebandで編集しちゃうかと血迷ったけど、やりたくても時間がないのでそこはプロに頼む。かつてCLUBKINGでラジオ番組作っていて、いまはInKや電気グルーヴ、KAGAMIや琉球ディスコなどのアーティストのレコーディングだとかライヴのアシスタントで忙しく活躍してる牛尾くん。SEやOP/EDの曲のいい感じにゆるいエレクトロ・タッチの曲も、彼のオリジナル。サウンド・エンジニア的な仕事もばっちりこなしてくれるひとなんだけど、実のところアーティストとしてひとりだちしたいという夢を持ってて、以前デモを聴かせてもらったらなかなかいい感じだったから、その辺までトータルでお願いしてみたというわけです。

計4回でトータル40分くらいの喋りに編集されてるトークなんだけど、現場では時間制限もディレクターによる指示的なものも台本もなく、ただノリと勢いでどんどん進んでいく。そーすると細かく切った貼ったが必要になったり、上手く「お、話盛り上がってるな、次回も聞こう」って思ってくれるような箇所を見つけて10分少々の流れを作っていかなきゃならない。サンプリングやコラージュで曲作るような感覚にちょっと近くておもしろいんだけど、話し手だけじゃなくて、裏方の我々も楽しみながらやってるのが伝わるかなぁ。

初回(神山健治×冲方丁×佐藤大)の収録時、僕はセイフティーのつもりで会議用のMP3レコーダーと外付けマイクを持っていったら、編集部の用意した機材はそれよりさらに音が悪そうなレコーダーとカセット(!)で、あとで慌てて機材揃えてもらったというバタバタもあったんだけど、創作に興味があるひとなら、別に小説書こうというつもりがなくても楽しめるないようだと思うので、音の悪さには目をつぶってください。第2シリーズ(東浩紀×イシイジロウ×佐藤大)からは、格段に音が良くなってます(笑)。


ガガガ文庫公式サイト http://gagaga-lululu.jp/gagaga/
ガガガトーク Vol.2-1 http://ga3.gagaga-lululu.jp/talk/
※バックナンバーもラジオも、右のメニューより。Podcast番組のiTunesなどへの登録は、「ポッドキャストについて」をクリック、指示に従ってアイコンをドラッグ&ドロップ。