マドンナのDVDが素晴らしい

某Invitation誌で急にスペースが空いてしまったとかで、かなりタイトな締切で原稿依頼があった。マドンナのライヴDVD+CD『I'm going to tell you a secret』の紹介を、9月にある来日公演の話に絡めてお願い、というもの。せっかく高いチケット買ったので、この時期に、もしかしたらちょっとネタバレっぽいかもしれないDVD見るのは気が進まなかったんだけど、いやぁコレ、素晴らしいできのドキュメンタリーで、マドンナ好きなひとならマストと言えるような作品でした。
作り自体もよくある音楽ものの舞台裏を収めましたというようなものじゃなくて、ちょっと連想させられたのは、出演者が体張ってる上に惜しげもなく撮影した膨大なフッテージを丹念にハイセンスに編集している、Discovery Channelあたりのよくできたドキュメンタリー番組だった。
もともと、音楽もだけど彼女の言動にすごく興味のある僕は、編集によってよりドラマティックに作られてるとはいえ、悩んだり冗談言ったり毒舌吐いたり弱みを見せたり……かなり意外な面も平気でカメラの前にさらけだしたマドンナの心意気と、自分自身の存在もエンタテインメントにしてしまうプロ根性に恐れ入った。

いやぁ細かいこと書き出すとキリないんだけども、特に英語のわかるひとは、注意して彼女の言ってることを聞いてほしいんだよね。ラストの「イマジン」は、ちょっとどうかなと思ったんだけど、子供たちのショットや疲弊していく様子を延々追って、「ホリデー」が来るあたりは、かなりやられちゃった。そういう全体の構成はもちろん、マドンナのモノローグやなにげなくカメラの前で言ったことが全部意味を持ってつながっていくのがすごいよ。すごく考えて考えて、練り込まれたフィルムだと思う。本編中にも登場するマイケル・ムーアが監督を申し出たらしいけど、やめといてよかったんじゃないかな。

原稿ではまたちょっとココで書いたのとは違うことに触れたので、ぜひそちらも読んでみてください。

アイム・ゴーイング・トゥ・テル・ユー・ア・シークレット(DVD付)
アイム・ゴーイング・トゥ・テル・ユー・ア・シークレット(DVD付)

あと、最近でたシングルのリミキサー陣がすごい。相棒のスチュワート・プライス(Jacques Lu Cont名義)はもちろん、Tiefschwarz、それにJames Holdenだ! ホールデン・ミックスはここのところのデペッシュ・モードのリミックス仕事とかと近い路線でシュワシュワとしたサイケな音に埋めつくされてわけわかんないことになってるのに、よくこれでOK出したもんだなぁ。ブリトニー・スピアーズにはボツ喰らった(しかもそんなに過激じゃない)のにね。

Get Together
Get Together