ここ半年くらいの(ビデオやテレビでみた)映画(part 2)

4時すぎに血管が切れるほど激怒している夢で目を覚ましてしまい、そのあと眠れません。
肉体はすごく疲れているはずなのになぁ…

なので、前回の続き……といっても、もう8月だから、半年ではなくなってしまったな。
パート1はこちら→ http://d.hatena.ne.jp/ken-go/20060521

監督が『卒業』のマイク・ニコルズって、いったいいくつなんだろう…。
出演者がやたら豪華なんだけども、それをいかしきれてないどころか完全に役者負けしてる印象。物語の時間が何の説明もなくバスッと何ヶ月も飛ぶ(何回も)のに、登場人物は4人の男女がグダグダやってるだけなので結構混乱する。しかもその間に何があったとか事象としても心情としても、あんまり説明されない。
ナタリー・ポートマンジュード・ロウが出会う、冒頭のロンドンのシーンだけ、ちょっと良かった。正直にいうと、途中で見るのをやめてしまった。

closer / クローサー
closer / クローサー

きっちり設定や物語は消化した上で、アメリカ人向けに巧くアレンジされていたハリウッド版一作目は意外に楽しめた。職人技というか、あぁこういうリメイクなら陵辱されたような感じはないし、オリジナル知っててもいけるじゃんと。で、オリジナル・シリーズの監督・中田秀夫が起用された続編なんだけど、もうコレはリングじゃないという感じ。まぁ、日本版の『リング2』も笑っちゃうくらいひどい映画だったような記憶があって、それよりはまともかもしれないが…。正直、見どころは前作の船上で馬が暴れ出すシーケンスを膨らませた鹿の襲ってくるシーンのみか。

ザ・リング2 完全版 DTSスペシャル・エディション
ザ・リング2 完全版

で、日本人監督がハリウッドで撮って、しかも売れてしまうという快挙の先陣を切ったのがこの作品。なんというか、画作りが少しキレイになっていたり、一部のキャストがアメリカ人だけど、基本はまんま呪怨で、それが潔いというか正直びっくりした。ビデオ版からずっと追いかけたひとには退屈だろうけども、カルチュラル・スタディーとしては相当強烈な題材だと思う。アメリカの片田舎のティーンとか、このじめじめした日本の街並みだとか家屋を見てどう思ったかまじできいてみたい。

THE JUON -呪怨- ディレクターズ・カットコレクターズ・エディション
THE JUON -呪怨-

これもリメイク。オリジナルはトビー・フーパーの『悪魔のいけにえ』です、念のため。撮影のスタイルとか、スピーディーな編集はいいと思うんだけど、いかんせん途中からフリークショーと、そこで大立ち回り演じる強すぎる女の子という展開になってしまい、怖さよりもここは笑ったほうがいいのかしら、などと余計なことを考えはじめてしまう。これ見てて思ったけど、今フェスに行く途中でひどい目に遭うというホラーをリアルに作ったら結構受けるんじゃないかという気がする。
あ、そうそう、『24』や『シックス・フィート・アンダー』で活躍したエリック・バルフォーが主役級(でも悲惨な死に方)で出てくるので、好きなひとはチェック。

テキサス・チェーンソー
テキサス・チェーンソー



時効警察』そのまんまじゃん、という感じである割には、なんだかパッとしないというかもうひとつ抜けきらない印象。オダギリ・ジョーのとぼけた演技もいいし、すごく映画らしさを作品に添えてる市川実和子も好きなんだけど…。ん〜、マンガになってしまうくらいくだらなさを蓄積していくだけで、あとはしらねーよという『時効警察』のある種パンクな作りは、あの限定された条件や世界でだけ存在しえたのかなぁ。
今度、『亀は意外と速く泳ぐ』もみてみます。

イン・ザ・プール
イン・ザ・プール



そもそもブルーハーツってところがさぁ、嫌。と、最初は思った。しかも、ヴォーカルに韓国人留学生(ペ・ドゥナ)を迎えてバンドで頑張る、文化祭での女子高生の青春の一コマを描くって! あ・ざ・と・す・ぎ!! ……いやぁでも悔しいぐらいよくできてるんだよなぁ、これ。配役とかあらすじから受ける印象とか、ぜーんぶ引き受けた上でちゃんと少しずつ裏切って、なにも派手なコトしてないのにすごく感情に訴えかけてくるという。もう、昨晩テレビでやってた『スウィングガールズ』なんてブッちぎりで遙かかなたですよ。香椎由宇はもちろんなんだけど、ケガをしてすべてのきっかけを作る美声の女の子として出演してる湯川潮音ちゃんがやばい!

リンダリンダリンダ
リンダリンダリンダ

コーエン兄弟トム・ハンクスという意外な感じのする取り合わせ。南部訛りの英語がわからないと、たぶんかなり笑える部分が理解できないんじゃないかと思う(自分は、ほとんどわかりませんでした)。軽妙にファンタジックに最後まで行くのかと思うと、まぁやはり毒は盛られている。トム・ハンクスが許せるかどうかが肝になる映画。

レディ・キラーズ
レディ・キラーズ

渋い。色味と出てくるひとたちの生き生きとした表情が最高。主演のガエル・ガルシア・ベルナルがむちゃくちゃかわいい。前からアルゼンチンはじめとして、南米を旅してみたいと思っているんだけど、そういう思いがより強くなるロード・ムーヴィー。なぜか、『母を訪ねて三千里』を思い出したりもした。

モーターサイクル・ダイアリーズ 通常版
モーターサイクル・ダイアリーズ

  • ステップフォード・ワイフ

飛行機でみて、いまいち理解してない部分があったので再見。まぁ二度目でもそこそこ笑えたんだけど、そんなに残るタイプの作品ではないし、アメリカ人のメンタリティーって全然わかんねーというようなひとは、たぶん意味不明な映画。その辺は問題なくても、ベット・ミドラーが濃すぎて、ちょっとひくくらいだし。

ステップフォード・ワイフ
ステップフォード・ワイフ

昔は大好きだったウッディ・アレン、恵比寿でしか上映しなくなってからすっかり疎遠です。これは、かつての栄光にすがりつく映画監督に、ハリウッドで成功している元妻から新作撮影の依頼が舞い込み、そのあまりのプレッシャーから失明してしまうという往年の作風を彷彿とさせるいい感じのコメディー。もちろん、主演はウッディ自身。かつてないほど自虐的なキャラだけども、これがまた皮肉たっぷりでいい味だしてる。こんなめんどくさいクリエイターは、正直あんまり一緒に仕事したくはないけど、ラストを全部うまく行く的なファンタジーにしちゃったのは、やっぱ彼も歳を取ったのでしょうか。まぁ70すぎだそうだから(髪はどんどん増毛したよ!)、こんだけパワフルなのが逆に怖いって感じもするけど。

さよなら、さよならハリウッド
さよなら、さよならハリウッド