刷り込み効果

小島よしおのネタで流れるアノBGMが遂に解禁!
みたいなことがニュース記事で流れていて、あ〜そういえばお笑い好きのテクノDJの●ン・ニ●ムラが頼まれた作ったとかなんとか聞いたなぁと思って記事読んだわけさ。

このBGMは、小島よしおと同じ事務所に所属するお笑い芸人、さくらんぼブービーの苺森(いちごもり)圭太によるオリジナル曲。
趣味がDJという苺森が小島をクラブに誘い、この曲をかけてネタをふったところ、今年最大の名文句“そんなの関係ねぇ”が生まれたとのこと。

あれ、そういうことになっているんだ…。たしかにさくらんぼブービーってKAGAMIのPVに主演してたり自分たちのDVDでKAGAMIの曲使ってたりするくらいだし、実際テクノ好きなんだろうし趣味でDJもやってるんだろうとは思うけど。この書き方だと、そもそも最初から彼が作った曲があったみたいに読めるじゃん。実際は、TASAKAのミックスCDから取ってきた曲(小島本人のブレーク後にひっそりと似た曲に変更)だっていうのはかなり広く知られてる事実だと思ったんだけどにゃあ。

数時間後、アマゾンをさまよっていて、たまたま<ミュージック>のランキングを眺めた。そしたら80位にそのTASAKAのミックスCDがチャートインしててさ、びっくりしたよ。あれだけ毎日毎日繰り返されると刷り込みでだんだん気になって、次第にいい曲だと思い込み、他で手に入らないから「よくわからないDJの5年も前のアルバムだけど買ってみるか!」とか思うんだろうか。

パチンコCMで繰り返し繰り返し聞かされてブレークした「アクエリオン」の主題歌とかも同じパターンだと思うけど、そこに間違いなくネットでの情報伝播が一役買ってる。ジャマイカのレゲエ・シンガーがYouTubeで見たのか小島のネタを織り込んだ曲を作ってMySpaceで公開したらブログ経由であっという間に周知されたとか、TASAKAのミックスCDがオフィシャルな言及とかナシにこんだけ売れてるっていうのも、刷り込み→ちょっとしたネタ話→コピペで拡散→さらにバイラルで広がるという悪夢のような勢いに点火してしまうからだろうな。ちょっとしたエピデミックですわ。

まぁ小島よしお程度だったら愉快なエピソードですむとしても、こういう手法はすでにマーケティングの一環になってるわけだし作為的にシステム化されて、ほんっと大も小もひっくるめてすみからすみまでつまらんものがつまらん売り方で消費されていく世の中になってしまった。そういえば、最近CMでやたらに古い曲が使われてるけど、ほとんど原曲そっくりに作り直したものなんだよね。使用料が高すぎて、ゼロから雰囲気似せて作った方が融通もきくし安上がりなんだろうけど。これまでだったらCMで流れたことで意外なヒットなんて事例はたくさんあったけど、原曲を聞いて「なんか違う」と思う層がでてきたり? 民放の番組もどこもかしこも海外のフッテージ借りてきてテロップと芸能人の顔かぶせてるだけだしな。そんなもんすべてに似たような安直さとうすら寒い感じを受ける。

DJ TASAKA presents Mix of Colors
DJ TASAKA presents Mix of Colors

さくらんぼブービー~さくらんぼディスコ~
さくらんぼブービー~さくらんぼディスコ~