around midnight

春の番組改編で火曜深夜は大変なことになってる。
はねトび』があって、日テレのアニメ枠で『攻殻機動隊SAC』の前に浦沢直樹の『MONSTER』が始まった。で、時間のかぶってるところでテレ東の『ウルトラQ』が。『攻殻』はもう観てるからいいとして、『MONSTER』と『ウルトラQ』がかぶってるのは痛いなぁ。アニマックスでも2週遅れて『ウルトラQ』やるので、そっちで録ろうかな。

『MONSTER』は後半しか観なかったけれど、ほとんど原作そのまんま。あのペースで進めたら、一年かかっても終わらないと思うんだけど、途中で終わらせられるような話じゃないから最初からそのつもりでスタートさせてるんだろうな。淡々と静かに事件が進行していくのが原作の良さでもあると思うけど、戻ったり後追いしたり出来ないテレビの場合だと視聴者がついてこれるのか疑問。でも、途中から観て意味わかんないヒトは原作読めば解決するか。そう考えると、原作本のプロモツールとしては機能するね。
初回を観て感じた難点は、マンガだとうまくごまかされている人間の動きとか表情が、セリフを音声として日本語で聞かされちゃうこともあって全然ドイツ人だと思えないということだろうか。原作読み返してみると、「ダンケシェーン」とか随所に“こうやって便宜上日本語で書いてますが全員ドイツ語でしゃべってます”という記号が散りばめてあって、違和感なく脳内補完できていたんだけど。川平みたいな顔の濃い日本人が集まって日本語でヨーロッパを舞台にしたドラマをやってる感じ。正直、とっても違和感がある。『MONSTER』の場合、いっそのこと日本に舞台を変えてしまえみたいなことは不可能な話だから仕方ないけど、こういうシリアスなドラマの場合、音や色がついてしまうというのは善し悪しだなと思った。
そういえば、今浦沢はオリジナルでアトムをモチーフにした『PLUTO』をやってるけど、よく考えると『MONSTER』もアトムなんだね。テンマ博士が自分の天才的な技術がもとで作りだしてしまった怪物的な息子の存在に苦悩するという。

あと、エンディング曲がデヴィッド・シルヴィアンなのにびっくり。短すぎて曲としての魅力がほとんど伝わってこないけど、音楽担当の硨島氏と共作した新曲のよう。

それでもう一方の『ウルトラQ dark fantasy』(リメイクされた21世紀版です)、これはひどかった…。ショボイCGやいかにもエイベックスがらみという音楽のセンスには目をつぶるにしても、脚本がズタズタ。今後は金子修介とかこの作品に影響を受けた現役のクリエイターが登場するらしいので、中にはいいものもあるだろうと期待して…。平成ウルトラセブンみたいなことになったらどうしようという心配もあるんだけどね。