赤ら顔の男

ロラン・ガルニエ、約一年ぶりのプレイをYellowに聴きに行く。
劇混みを予想して、2時すぎに着くように出かけたにもかかわらず、Yellowの前はかなりの行列。一時間待ちという声もあったり。結果的には、20分ばかりで入れたんだけど、特に話題の新作もないし旬なDJだというわけでもない彼のパーティがこうやって満員御礼なのは嬉しいモノだね。思ったほど懐かしい顔がたくさんというわけでもなかったけど、場の雰囲気はどこか懐かしい感じが漂ういーかんじ。

混んでるパーティでいつも思うのは、客の笑顔とコミュニケーションが減ったよなぁというもの。集団で周りも気にせずドンドンぶつかりながらフロアを移動するとか、混んでる通路とか通るのに遠慮なく肩を怒らせたような状態で強引に突っ込んでいって後に残るのは両者の「なんだよ?」っていう憮然とした表情と嫌な雰囲気だけみたいな。特に若い客が多いとそういうシーンが頻繁に見られるように思うのは偏見だろうか。
昨晩は、なぜだかそういうことが全然なくて、ほとんど身体を動かすスペースがないような場所で踊っていても、軽く肩辺りに手が触れてフッとそっちを見るとちょっと申し訳なさそうな笑顔で身体を斜めにして「通して」って目で合図してるひとがいて(もちろん、その相手がかわいい子だったりしたらちょっと嬉しい)こっちも「OK」って目で答えて、相手が無事通り抜けられた腰とか肩とかをポンポンって叩いて、別れ際にもう一回お互いにアイコンタクトしてみたいな、おー久しく忘れていた昔懐かしいレイヴのノリって感じ。「みんな愛してるぜ」って感じの一体感(笑)。

EMMAくんがインタヴューで、フロアの「ハイハイハイハイ!」っていう傍若無人な集団の掛け声に嫌気がしてキレて音を止めてしまったって言ってたのを読んで、演ってる側も音や場の雰囲気に関係なく勝手に盛り上がるそういう連中には苦々しく思うところが多いんだなって知った。客と演者、金払ってる側は「客」だから何やっても勝手っていう意識だからそういうことになっちゃうのかもしれないけど、DJだってフロアと感応しながらやってるわけで、思わず声が上がっちゃうというのじゃなくて、テキーラ煽って無理くりあげちゃれ!みたいなのは、どう考えても逆効果だよね。

まぁそんなわけで、序盤はハウスやアシッドっぽいノリからだんだんとハードなものも混ぜていったりして、KLFやプロディジーのブート盤(最近お気に入りでよくかけてるらしい)それに自身の「クリスピー・ベーコン」なんて<ZERO>の頃からYellowに通ってるひとにはかなり嬉しい選曲も飛び出して、朝7時をすぎてもまだかなりのひとが盛り上がってるようなキモチイイ一夜だった。挨拶しに行ったらブースに上げてくれて、ちょっとだけ話をしたんだけど、相変わらずボス肌で紳士的。タイミング見計らいかかってる曲のことで話しかけようとしても、人差し指をピッと上げる決めポーズで、今ミックスに集中したいからちょい待ってという合図を出すのがキザでさすがパリジャンという感じ。CD-Rの曲をやたら使っていたけど、割と地味目でダークなトラックもののそれらは、今制作中のニュー・アルバムの曲だって教えてくれた。自分のサイトのフォーラム(ファンからのメールにガルニエ自身が丁寧に答えてくれるページ)では「今度のアルバムは全部ロックだ」とか書いてたので、全然違うじゃんと指摘するとあの犬顔をくしゃっとさせてイタズラ小僧みたいな笑顔を見せる。

そうそう、連れを「This is my wife!」って紹介したら、ちょっと待てってレコードBOXの中をごそごそ探して、大判の写真を見せてくれて「This is my baby!」って。まだ1歳未満かな、カワイイ笑顔の赤ちゃんだった。一時は肩の問題なんかでDJ辞めるとすら言ってたけど、きっと今はすごい充実してるんだろうなぁという感じが後ろからエロい腰つきを見てるだけでもわかった。

帰りにもらったフライヤーの中に今年のメタモの告知があったのでコピーしておく。
公式サイトにはまだ情報は出てないみたい。

8/28(土)
場所:今後発表

Solar + Lunar Stage
Mouse on Mars, Africa Bambaata, Tony Allen, Dj Sneak, Green Velvet, Jimmy Cauty, DK, Sebastien Leger, DCPRG, EYE, Mayuri, Q'Hey, Kenji Takimi, Kaoru Inoue, Kihira Naoki, HIFANA, Dj Klock

!K7 Stage
Funkstorung, Dani Siciliano, Max De Wardener, Vikter Duplaix, Steve Kotey (Chicken Lips)

まだ第一弾発表で、and lots moreってことだから、少なくともあと5組くらいは増えるんじゃないだろうか。フミヤは今年も入れてほしいなぁ。おおって感じなのはスニークとDK(疑いなく去年のメタモのアンセム)、ハイファナファンクストラング、あとハウス好きにはヴィクター・デュプレ辺りかな。マユリちゃんのシカゴ趣味はいまいちわからないところもあるんだけど、スニークは嬉しいな。散々な集客でクボケンが泣いたっていうCLUB VENUSでの来日見逃してるし。

バンバータ御大はドイツで一回見たけど、取り巻き連中や立ち振る舞いのおもしろさ以上のものが音にはなかったんだよな。そういう意味では、ジミーの再来日も同じような感じでしょうか。