カタログ文化

宣伝です。
たった3ページ(笑)しか書いてないのでえらそうなことを言えた義理じゃないんだけど、200人の著名DJのプロフィールと代表作をまとめた本が学研からでました。
200CD DJファイル
200CD DJファイル

まぁ執筆者のリストを見ると相変わらずのひとたちが集合していて、日本の音楽業界にはホント、もっとじゃんじゃん新しいことに挑戦するライターが出てこないのかなと思ってしまうんですが。「磯部以降」みたいな流れはないんだろうかね。

本の作りも、縦書きに大きな文字組でとても読みやすいし、「?」という人選も結構あるが、伝説的な存在から新しい才能までまんべんなくチョイスしているしジャンルとしてもレゲエからトランスまで幅広いので、例えばハウスから入って最近はドラムンに興味が出てきたなんてときにどこから掘っていくかの指針にはなると思う。ただ、こういうカタログ本はこれまでも腐るほど出版されてるし、CDガイドみたいなものにしても、ホント工夫がないっつーか書き手がいないつーか、もっとしっかりしたものを読ませてくれよと思う。
こないだ頼まれてGLOCOMでやったJAPA勉強会でDJカルチャーやDJミュージックに関する講義をしたんだけど、そもそもテキストがないんだよ。それこそ、日本オリジナルなものって野田さんのくらいしかない。あれだって結構な部分孫引きや引用で成立しているからまったくのオリジナルじゃないわけだし。

カタログから入って上っ面だけ勉強してわかった気になって終わりというのは、もうやめにしねえ。つーか、これだけネットやDBや検索エンジンが発達して、さらにオープンソースとかクリエイティヴコモンズとかって発想も浸透している現在にだよ、未だカタログで商売しようとかカタログなら無難に部数が見込めますよねとか、んなことしか考えられないような出版関係の人間はもう臍の下あたりまで化石化してると思うから、身動き取れなくなる前に転職考えたほうがいいんでねーの。シンプルにイージーに消費と直結してるカタログは楽しいけどね。うん、そうベルメゾンとかディノスとかのカタログ大好きなんだけど。あれって、単にウィンドーショッピングを紙の束にしたというだけだからね。それに最近のカタログって、そこいらの雑誌よりよっぽど真面目に作られてたりするぜ。