インディーであるということ

『惑星大怪獣ネガドン』というショートフィルムが来週末劇場公開される。ほぼひとりで、CGを使いまるで昭和なレトロ感漂う怪獣映画を作り上げた粟津監督に会ってきた。すごく理路整然とした好青年だった。制作に2年半もかかったという執念に、ものすごいオタクなひとを想像していたのでちょっと拍子抜けだったけども、とても興味深い話をたくさん聞けてやる気が出た。
しかし、映画一本ひとりで作っちゃうというのは(しかも機材は自作のPC)ある程度資本があとからバックアップしてるとはいえ、かなり無謀な試み。それを当初は「DVDに焼いて友達に見せるくらいでいいかなぁ」なんて気持ちで作り始めたというのはびっくり。作りたいっていう衝動だけでそこまで気持ちが持続させられるもんなんだろうか。もちろん、新海誠っていう前例はあったけども、新海さんの洗練された画作りより、『ネガドン』の泥臭いCGのド迫力のほうが圧倒的な説得力みたいなものは感じる。

そういえば、TRICKFISHで読んだのだが、ペッパーショップの古賀さんがいつのまにか映像作家になっていたらしく、菊地成孔の日記で撮影風景のレポートを読んでたDCPRGのプロモが彼の手によるものだとはちっとも知らなかった。
こちらも映画デビュー作(ということになるのだろうか)『ドロップスガーデン』が来週公開される。辛酸なめ子さんは“アイドルのイメージビデオ”とある種皮肉った物言いだが、“全編水中で撮影された、萌えさせたり抜かせたりしない、アニメで空中を浮遊する感覚にばかり慣れたこの国の僕等を不思議な感覚に陥らせてくれる26分の作品”という菊地さんの相変わらずの絶妙なレトリックには、どーもフラフラ渋谷に足を運んでしまいそうな魔力が…。
ただ、公式サイトにある予告のビデオ、ストリーミングでもダウンロードでも見られないんだけど、なんでだろう?

惑星大怪獣ネガドン
惑星大怪獣ネガドン