期待しすぎない、それでも慣れは回避できない

夏らしいことなんてなにひとつしないまま8月最後の週末になってしまっていて、メンツ発表のときから「今年は事前に期待してもしょうがない感じのラインナップだなぁ」と直感して、それでもチケットだけはしっかり購入しておいた<metamorphose 06>が、いつのまにか当日になっていた。
もうさすがに起きっぱなし踊りっぱなしで帰りに運転なんて無謀な行動は無理なので、ここ数年で完璧に元を取ったテントやらキャンプ用チェアやらをレンタカーのトランクに詰め込み修善寺に出発。道程も、一度往復してるから、休憩ポイントとか含め迷うこともないし、手慣れた感じ。昨年は、明らかに前年の苗場のリベンジという趣があったし、客の質以外はかなりのハイスコアを叩き出したと思ったのに、もう翌年には少し飽きてきているというのが往路からじんわり感じられてしまうというのは、いかがなものか。
そして予想通り、あれほど遠く感じたルナーの体育館へのアップダウンも、底なし沼にはまってしまうのではないかと思った(そもそも今年はぬかるみが消えていたが)プラネットの丘へのハイキングも、あっという間に移動できてしまって拍子抜けなのだ。

ソロでも千以上の集客を簡単にできるクラスのアーティストがまったくいなかっただけに、自然とコンサート鑑賞のりが排除されたのかもしれないが、本来メインのはずのソーラーはダンス・ミュージックという意味づけが広義になりすぎてもはやチルアウトのエリアと化していた。もちろんあまり聞いたことないような連中の音をまったりと楽しむというのも全然ありなんだけど、あれをまったりと楽しんでさらに一応休んだりもしているとガシガシ踊るような体験ができなくなってしまうし、かといってルナーにずっとこもっていたら小雨がぱらつくとか夜が明けてくるというような野外の醍醐味がぜんぜん感じられない。そんな消去法からか、旧来からのメタモのレイヴ的な雰囲気を一番残しているプラネットが、時間によっては盛況すぎるほどひとを集めていたというのも頷ける。

ラスト、眠い目をこすりながらテントの横でボーッとマユリちゃんの恒例のアナウンスを聞いていたら、9/30〜10/1に山中湖でやる<Mt. Fuji Calling>にロラン・ガルニエ出演決まりましたのでヨロシクということを言ってた。ジャー・シャカとかROVOとかDCPRGとか、以前のメタモっぽいメンツがラインナップされたこの秋のイヴェントも気持ちよさそう。夜通しではなく2日間というのも、高齢化してるだろう客層や、メタモとの差別化を考えるといいんじゃないか。あのユルユルで自由な雰囲気のなか、まぁとにかくいろいろ音楽楽しみましょうやというスタンスがブランチアウトして、季節によって違う楽しみを提供してくれるのであれば、また違う楽しみが見つけられそうかなと、期待が膨らむ。ただただ「メタモルフォーゼ」というブランドに固執して、世界的にバブル状態に突入しているフェス乱立状態のなかブッキングや場所探しで苦労し続けるよりは、さまざまなリスクの分散と経験値のアウトプットの多層化が同時にできるわけだからね。

まぁ、今回ロランはageHaでも前日にやるから、そっちで我慢しようと思ってはいるけど、来年は場合によっては初夏にTAICO、夏は飛ばして初秋にFUJIというのもアリかなぁなんて思い始めた。今回のメタモで自分にとっていかに4つ打ちが大事かを再認識してしまったんだけど、それだけでいいならクラブに行ってればいいわけで、環境含めてどのくらい逸脱するのが気持ちいいのかっていうのを、常に模索していくのかもしれない。そういう意味では、今回THE BAYSが、少し曲調にレトロを感じたもののそういうツボに入ってきた。逆に、ブラック・ストロボはまったくダメだった。盤で聞いてる限りは、だせ〜って笑っていられたけど、さすがにあのステージはギブですわ。似たようなことをやっていても、今週のニッツァー・エブ終了後には真逆のことを言ってると思います。

ゲッチング翁→http://www.youtube.com/watch?v=hIDpcsmB4tU