教訓:クスリとアルコールのMIXはやめておけ

例年、時期的にとっても多忙である上に仕事として節度をもって見守る必要があったWIREなんですが、今年は完全に遊び。そんなわけで気が緩んだせいか、数日前から風邪をひき、喉はガラガラ鼻はズルズルのひどい状態でした。
気が張っていてなおかつ若さがあれば、多少の風邪くらい勢いで吹き飛ばせると思うんだけど、さすがにこの歳になるとそんな無茶は状況を悪化させるだけ。なので、あまりペースを上げすぎず、ゆるゆるで行こうと思っていたのに21時すぎからのニッツァー・エブでいきなり飛ばしすぎてしまった。
あまりの早い出番に少しすねていたとかいう裏情報を聞きつつ、それでもアゲアゲなプレイのウェストバムを横目に見ながらシンプルな機材がセットアップされたステージすぐ前のブロックに移動して、ライブに備える。これまでDAFとかスケッチ・ショーのときもそんなことしてなかったので、どんだけ期待してるかということと、客なので別にここで完全燃焼してしまってもいいやというやけっぱちな思い切りが窺い知れますな。彼らの公式サイトにはすでに今年のツアーの写真がたくさん上がっていて、youtubeではビデオもいくつか上がってるわけだけど、そういう事前情報をほとんどシャットアウトして挑んだ初のライヴ、いやぁほんと、生きてて良かったという感じで、約20年タイムスリップしてしまったよ。どのくらい同世代のおっさん連中が踊ってたのかわからないけども、そのときだけやたらにまわりで知り合いがいて、やぁやぁと挨拶しつつ髪振り乱して踊った。そして、叫んだ。
後に楽屋でケン・イシイと会ったときに立ち話して、彼はそもそもデビュー前にボディーとかインダストリアル系の音が好きで自分でもそういう曲を作っていたことを思い出して、「どうだった?」と訊くと結構感動したというようなことを言ってた。「やっぱりあの時代にもまれたひとたちは、ちゃんと魅せるよね」「そう、声もちゃんと出てたし、動きにもキレがあって」みたいな。あと「ヨーロッパだとフロント242もまだやってて、しっかりライヴとして成立してて人気あるらしいよ」とか、そんな話も。

その後、あんまり調子に乗るとやばそうだぞと思ってセカンドに行ったら並ばずすんなり入れたから、油断してミハエルでガンガン踊っていたら、いつのまにかまわりのスペースも空気も薄くなり、メガネのアレクサンダー・コワルスキーがプレイ始める頃には立錐の余地もないギュウギュウの状態に。歌モノも随所に配して上品な感じだったアレクスさんを引き継ぐ形でヨーリスがはじめると、強烈なキックが迫ってきてさらに温度が上がる。今年、ちょっとセカンド・フロアは音の迫力に欠ける感じがあって、「あれ?」って感じだったが、ヨーリスはその音響をギリギリまで使い切るという感じの出音でまさにド迫力。ところが、この辺りで風邪が勢力を増してきて少しだるくなってくる。「Incident」のイントロを聞きながら外に出ると、あまりの気温の差にびしょ濡れのシャツの冷たさと一気に体温が奪われるのを感じて、やべぇと思い楽屋に退避。着替えのシャツもなかったので、物販ブースに行こうか迷って、あんまり現金持ってこなかったこと思い出してやめる。着替えたら結局、またびしょ濡れになるまで踊りそうだし。

そんなわけで、滅多に聞けない渋めな選曲だったリッチーを涙ながらに楽屋のモニターでチェックしつつ、強めの薬を飲んでこれ以上状況が悪化しないのを祈る。しかし、入れ替わり立ち替わりいろんなひとに挨拶して話をしていると、だんだん風邪のことを忘れてしまい、しまいにはビールを買って口に入れてしまった。これが大失敗で、気持ち悪くなるわ頭グラグラしてくるわで、しちゃいかんと言われてるこーゆーカクテル、ほんとにダメですね。

そういえば、久々にジェフとも、10月のWOMBのレジデンシー(最終日は6ターンテーブルで全部自分の曲だけで8時間やるとか…)のことやらあれこれ話したんだけど、ニッツァー・エブの話聞くの忘れてた。彼も、昔インダストリアル系のバンドFinal Cutにいたくらいだし、興味ないとは思えないので。
つーか、帰り際に友達さがしにフロアうろうろしてしばらくスピーカーの前で踊ってたんだけど、やばいね、あのひと。「Changes Of Life」〜「Strings Of Life」の流れにおもくそ盛り上がってるけどおそらくは曲のことなんて全然知らないガンギマリのグラサンの若人たちに囲まれて、はぁまたかい……みたいな虚脱感に襲われたんだけど、その後のOutlander「The Vamp」の銃声でどーでもよくなった(笑)。セカンドでも、そのころ数時間前までやはり風邪で頭痛いと訴えてたTOBYがマイクを手に歌い踊ってたかと思うと、あんな場であれこれ考えてる方が負けなのじゃ、という気にもなります。

全然顔見なかった、石野の大将は、ラスト間際TOBYのDJで踊ってるのを発見して手を振ると、駆け足で近くに来て熱い握手をしてきたかと思うと「楽しんでって!」と一言。まぁ、そういうことなんでしょう。


Body Rework
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Body of Work 1984-1997
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Changes
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