Quiet Village / Silent Movie (!K7)

Silent Movie
Silent Movie

これもマガジンのレヴュー原稿より(春先に書いたので、夏に向かってとか言ってます)。

 アーティスト名は多分マーティン・デニーからの引用で、ジャケの印象とも違わずムード音楽やラウンジ、クラブ・ジャズ的なこじゃれたテイストで彩られた12曲。多分にフェイク的な要素はあるものの、ただのカフェのBGM程度の軽さに落ち着かないのは、さすがというか極度の音楽への偏愛がなせるワザ。というのも、このユニットの裏にいるのはテクノ界隈ではずっと時のひとであるレディオ・スレイヴのマット・エドワーズと、映画の編集マンでDJとしても知られるジョエル・マーティンのコンビ。そもそもフランソワ・Kやジャイルス・ピーターソンが数年前に限定でリリースされたアナログをプッシュしまくったところからこのユニットの伝説が始まったそうだが、その辺りのベテランをも唸らせるうんちくたっぷりな、それでいて極限まで気持ちをマッサージしてくれるこの古くて新しい感覚は、夏に向かって波動のようにムーヴメントを生みそうです!


この名義でも来日してるので、こっち系のオシャレな方向でも人気なのかな。マット・エドワーズは去年WIREでDJ聴いたときほんとやばくて、年期と最新のセンスと両方が絶妙のバランスで溶けあってて、あぁこれだぜ世界レヴェルって思ったんだけども、そういうひとがこういうラウンジーなものを本気でやってるというのもおもしろい。
さすがにレヴューでは書かなかったんだけど、5がカヴァー?(−というかもろぱくり?)なのに、クレジット見るとオリジナルの曲になってるんだよね。それはちょっとどうなんだっつーか、もしや知らないだけでほかの曲も?とか思っちゃって…それでのりきれないっつーか、名盤!みたいに言い切れないところだった。


これ↓で試聴できるので、2曲目「You Are Friend To Me」を聴いてみて!

サマー・ナーヴス
サマー・ナーヴス


1. Victoria's Secret
2. Circus of Horror
3. Free Rider
4. Too High to Move
5. Pacific Rhythm
6. Broken Promises
7. Pillow Talk
8. Can't Be Beat
9. Gold Rush
10. Singing Sand
11. Utopia
12. Keep on Rolling

2008/05/13 release