Heartthrob / Dear Painter, Paint Me (Minus)

Dear Painter, Paint Me
Dear Painter, Paint Me

幕張であった渋谷WOMB主催のイヴェント<Womb Adventure>に行ってきた。メッセの味気ないコンクリむき出しの寒さが増すような味も素っ気もないステージング&ライティングがらしいなぁという、MINUSアーティストのショーケースがメインのホール(隣では、HadokenとかShitdisco、Dexpistolsとかのファッション系のニューレイヴ〜エレクトロ)だった。11時くらいに着いたらガラガラで「これはやばいんでは?」と思ったが、1時を回るくらいには踊るスペースが見つけにくくなるくらい混雑して、結果としては成功の部類だと思う。
音も、前座のFabrizio Mauriziがやってるころはか細いというくらいで心配になったが、だんだんと音量も音圧も上がっていった印象。
で、メンバーの中でも中心的役割を担っていた(であろう)Heartthrobの初夏に出たアルバム。ステージに常に複数人が立って複数の音をセッション的に出し入れしていた実験的な今回の取り組みは、正直言うと、客の熱気に比べて(あんな何千もの人があんな地味な音で、しかもキックが入った瞬間とかに「うぉおおおおお」ってなるのは日本ではありえないとずっと思ってました)プレイ自体は驚きがないというか、つまらないというわけではないんだけど妙に醒めた感覚を呼び起こされてしまうことが多かったように思う。一方、このアルバムで聴ける音は、ときにシネマティックに感じることもある、クールネスの中に生体的なうねりというか、おもしろさを見つけられるものだっただけに、ちょっと残念だった。リッチーが出てきてからの後半は盛り返したようにも思ったが、Magdaにしろこのひとにしろ、リッチーの影響下から離れたところで何をどうやっていくかがもっと問われてもいいんじゃないかな。一時のURもそうだったけど、ちょっとこのところのMINUSはファミリー色を打ち出しすぎて気持ち悪い。

1. Future's Past
2. Confession
3. Signs
4. Out of Here
5. Blind Item
6. Interference
7. Slowdance
8. Heading for a Heartbreak

2008/06/30 release