Recomposed by Carl Craig & Moritz von Oswald

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ドイチェ・グラモフォン企画のこのシリーズは、ジミー・テナーやマティアス・アルフマンがこれまで手がけていたようだけど、今回のカラヤン指揮によるベルリン・フィルの音源をカール・クレイグとモーリッツィオがサンプリング&再構成してチルアウト〜ダンスに仕立てるという試みはたぶん、ここ15年のあいだに少しはクラシックに興味もあるテクノ者が誰しも夢想しただろう夢の共演とも言えるような内容だ。しかも、やってるのはラヴェルムソルグスキー。実際、おいらもクラブで「ボレロ」を延々かけたことがあるけど、あれは構成から音色から繰り返しの気持ちよさから、まったくトランスなんだってことはずっと言われてた。今回、まさにそれがアーティストの側から立証されたような素晴らしい企画だろう。最初、モーリッツに持ちかけられた企画が、モーリッツの発案でカールも呼び込むことになり、音源は海を渡り、ふたりのテクノ・マエストロの手によって新しい命を吹き込まれている。
だれしもこれを聴くと、ゲッチングの「E2-E4」がデリック・メイカール・クレイグの再解釈で新しい生を受けて、それこそいまでもあのご老体がメタモルフォーゼみたいなフェスでメインアクトとして歓迎されることにつながっているのだというようなことに思いを馳せるだろう。「ボレロ」や「展覧会の絵」なんて定番中の定番とも言えるけど、それを敢えてピックアップして、ここまで豊穣なトランスに仕立てたのは感服に値します。グレート。



1. Intro
2. Movement 1
3. Movement 2
4. Movement 3
5. Movement 4
6. Interlude
7. Movement 5
8. Movement 6

2008/11/4 release