Extrawelt / Schone Neue Extrawelt (Cocoon)

Schone Neue Extrawelt
Schone Neue Extrawelt

08年の良作と言えば、元々トランス方面で活躍していたMinilogueが必ず挙がると思うけど、彼ら同様トランス(Midi Milz、Spirallianz等の名義で)のアーティストとしてきちんと地位を築いていたアーティストが、もっとストイックなテクノや硬派なハウスの世界に殴り込みを果たしたのが、このExtrawelt。シングルで展開していた圧倒的インパクトまでは及ばないかもしれないけれど、なかなかおもしろいアルバムだった。以下レビューより転載。

 ハンブルグ出身のアルヌとヴァイアンからなるデュオ。近年力を入れているこの名義では初のアルバムだ。ジェームス・ホールデンのボーダー・コミュニティーからリリースした初シングルで脚光を浴び、かのレーベルに特徴的な音というのをネイサン・フェイクらと共に形成した。それはつまり、フリーキーでサイケデリックな要素を多分に持ったハウスとテクノの中間に位置するような音であり、エレクトロニカ的な職人芸とバッドトリップがファットなビートの上で結ばれた瞬間だった。元々はサイケ・トランスの分野で活躍していたというふたりだけに、ズブズブと暗い闇の淵を潜行していくようなダークな曲調は得意とするところなのだろう。そして、そのプロダクション技術はさすがという感じで、この独特の酩酊感やグルーヴを維持しつつも地獄の宴みたいな一種のハレ状態を醸し出せる彼らだからこそ、コクーン=スヴェン・フェイトも魅入られたのだろう。


1. One Tree Hill
2. Dark Side of My Room
3. Wippsteert
4. Messy Machinery
5. Must Attack
6. Trmmerfeld
7. Wolkenbruch
8. Added Planet
9. Kurt Curtain (Skit)
10. Daten Raten
11. Lost in Willaura
12. Homing

2008/10/28 release