さらば吉祥寺33!

20日リアル店舗を閉店して、ウェブのみになるという報を聞いてから、あまりのショックになにか感想めいたことをしたためる気にもなれなかった。吉祥寺のShop 33と言えば、90年代前半からのクラブ/ストリート・ファッションの震源地であり、カセットや手作りCD、はたまたフロッピー・ディスク・マガジンや既存の商品の枠に収まらないアート的なモノの発信基地でもあった。自分は、まだ大学生だったころからお世話になって、当時右も左もわからず勢いだけで作っていたDelicというミニコミを販売してもらっていただけでなく、厚かましくも広告掲載もお願いしていた。まだ雑居ビルの2階にあったころ、店に入ってもうるさい店員が寄ってきてやたらに服のセールスポイントを訴えかけてくるでもなく、ただ会話がギリギリ成立するくらいの音量でテクノが流れ、タバコを吸ったり、店内にある自販機で買ったドリンクを飲んだりしながら、だらだらと時間を過ごすのがその場所での正式な振る舞いであるような気がした。いまでは気恥ずかしいタームのようにも感じる“情報発信基地”なんて形容がピッタリはまるのは33しかなく、パルコや丸井ではお気に入りのファッションがみつからないキッズたちが足繁く通ったのが、吉祥寺や、原宿の33だった。そもそもの成り立ちが貸しレコード店だったというのもなんだか時代を感じるし、やはり都下のレンタル・レコード店からスタートして立派な売れ線ダンスものの総本山になったエイベックスとその歴史を比べると、なんだかやはり感傷に浸らずにはいられない。

関係者が一斉に集まって、ゆかりのDJたちが懐かしの曲を矢継ぎ早に繰り出した今日のお疲れさまパーティはホントにいい雰囲気で、明日以降もうリアルな店舗としての33がなくなってしまうというのが信じられない感じだったが、実際自分も路面店としてスタートしてからの33にはオープニング時にしか行ってなかったし、店舗よりネットの方が注文も多いし経費もぜんぜんかからないというのは、悲しいかな現実なのだろう。我々、33にお世話になりまくった世代がヨボヨボになって、ジャージやスニーカーなんてもう無理っすとなるまえに、もう一度リアルな店舗として33が復活してくれたらと本気で思う。今日だって50人を優に超えるひとたちが愛をもってお別れをしたわけで、そのひとたちひとりひとりが、伝説的なショップのすばらしい功績をきちんと伝えていければ、そんなに難しくないのではないかという気もする。某、サード○○ーの社長とも、外野の我々が愛をもってパーティなりをやってもういっかい盛り上げていければという話もしたし、年内になにかやれるといいなと思う。ね、どうでしょう、みなさん。